3.『内部告発で一攫千金!?』
~ 世界で唯一、割に合う法律っていったい何?? ~
ウシ主任、アメリカで「公金の無駄使い」についての"内部告発"が行われた際によく出てくる『不正請求禁止法 : False Claims Act 』(1986年)という法律があるじゃろ?
これは"内部告発"を考える上で非常に興味深い法律だと思うんじゃが、ちょっと説明してくれるかね?
ハイ、保険金の不正請求事件で内部告発者2名に1億ドル(日本円で約100億円)の『報奨金』が支払われる根拠となった例の法律のことデスね。
この法律は、簡単にいうと、「税金の詐取や無駄使いを発見した人が、その不正を"内部告発"するため、不正行為を行っている相手に対して連法政府の名において訴訟を提起し、それに勝訴することによって回収できた税金の最大30%を『報奨金』として受け取ることができる」というものデス。
『不正請求禁止法』の元となった法律は、1863年のリンカーン大統領時代に制定された連邦法のようデスね。
100億円!? "内部告発"でそんなにおいしい話があるんですか?? オレもアメリカで働きたい・・・(泣)
ちょっと前に、テレビの特集で牛肉の偽装請求を"内部告発"した元社長が出てたのを見たんじゃが、あれはねぇ・・・
アメリカでの話を聞くと、日本での内部告発者の扱いは問題じゃな。
日本にも『不正請求禁止法』みたいな法律があれば、ああいう人たちも報われるんじゃないかと思うんじゃが・・・
確かに、あの牛肉の偽装請求は、国の補助金(公金)をだまし取ったというケースでしたから、まさに『不正請求禁止法』の対象となりマスね。
それに、『不正請求禁止法』に基づいて報奨金がもらえるのは、実際に不正行為の相手方に勝訴して税金が回収できた場合に限られマスので、金銭目当ての虚偽の"内部告発"を誘発するリスクは低いデスね。
ワタシは、日本政府が「公金の無駄使い」を防止する趣旨でこういった報奨金制度を導入するのはアリだと思いマスよ。
〔執筆〕 田中 建太朗 (コンサルタント)
【監修】 田島総合法律事務所
<参考文献>
奥山 俊宏 著 「内部告発の力 ~ 公益通報者保護法は何を守るのか ~」
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