7.『サブプライム問題とコンプライアンス Part.2 』
~ 金融派生商品【デリバティブ】に翻弄された人々 ~
・・・前回からの続き
主任は前回、「『CDO(債務担保証券)』にどういう割合で『サブプライム・ローン』が組み込まれているかよく分かっていないような状態だった。」って言いましたよね?
金融派生商品【デリバティブ】の仕組みって、そんなに分かりにくいものなんですか?
金融派生商品【デリバティブ】について話すと長くなりマスから、その説明はまたの機会にしておきますが、『CDO(債務担保証券)』などのいわゆる証券化商品は、複数の公社債やローン債権を組み合わせることによってリスクを細分化して信用格付けを上げ、投資家が投資しやすくするために生み出された商品なので、その中身を投資家が詳細に理解するということは難しいんデス。
投資家は、全員が金融工学の専門家というわけじゃないし、専門家であるはずの証券会社の担当者が理解していない詳細まで理解しているとは思えないですよね・・・
まぁ、ボクなんか説明されたって理解不能だし・・・(苦笑)
そういう実態が把握しづらい商品であるにもかかわらず、リスクが分散されている安定資産であるかのような証券会社や投資ファンドの説明を真に受けて多額の資金を投資した投資家達には、いざ 『サブプライム・ローン』 が焦げ付いて(債権が回収困難になって)、資産価値が急激に下落し始めたという時、もはや逃げ道はなかったのデス。
『サブプライム・ローン』ってのは、信用力の低い人に対するローンで、そもそも焦げ付きやすい(債権が回収困難になりやすい)ものですよね?
そういうローン債権を組み合わせた商品が、世界中でなぜあれだけ売られていたのか疑問です・・・
金融派生商品【デリバティブ】は、少ない元手で大きな収益を手にすることができマスから、証券会社にとっては非常に魅力的なんデスよ。
同等格付けの社債に比べて高い利回りが得られるように組成されているので、投資家からの人気も高かったデスしね。
なるほど!
証券会社からの説明だけではなく、格付け機関の"格付け"も高いとなれば、投資家は安心して金融派生商品【デリバティブ】を購入しちゃいますね!
結局、投資のリスクを分散するつもりで組成した金融派生商品【デリバティブ】によって、世界中にマイナスの影響を広める結果になってしまいましたネ。
ちなみにアメリカでは、証券会社やヘッジファンドに対して、「証券化商品の販売時に投資家へ十分な説明が行われなかった」、「開示されたヘッジファンドの保有資産に関する情報の根拠が曖昧だった」ことが、投資家の信頼を裏切る行為であったとして、証券集団訴訟が続々と提起されてマス。
このことは、金融関連会社のコンプライアンスの問題として理解しておくべきデスね。
〔執筆〕 田中 建太朗 (コンサルタント)
【監修】 田島総合法律事務所
<参考文献>
「Let the Blame Begin」 (BusinessWeek 2007年7月27日発行号)
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