このような社会背景の激変の中で,内部告発者の解雇・不利益取扱い等を禁止してその保護を図ると共に,社会経済の健全な発展を図る必要性はいよいよ高まり,公益通報者保護法が導入された訳ですが,この法律はあくまで公益通報者を保護するに留まる消極的な立法であり,それ以上に企業にコンプライアンスの高いハードルを課そうとするものではありません。
しかしながら,企業がコンプライアンス経営を維持するためには,自ら不正を早期に発見して自浄作用を発揮することが重要であり,そのための端緒として内部
通報を積極活用する姿勢が求められることになります。すなわち,コンプライアンス経営のためには,内部通報を消極的に受け止めるばかりでは不十分であり,
それを積極的に活用する姿勢が必要なのです。
昨今,上場企業を中心に企業における内部通報制度の導入が一般的となっていますが,それが 遵法らしさの隠れ蓑になっている企業は残念ながら少なくありません。内部通報制度を導入したことの一事をもって,コンプライアンスが達成されているかに対 外発表を行う企業において,実は内部通報が過去に1件もなく,社員が通報の仕方を知らないケースも間々あります。これでは本末転倒であることは明白です。 「仏作って魂入れず」にならないよう,本気のコンプライアンス経営が求められるところです。
(続く)
昨今,上場企業を中心に企業における内部通報制度の導入が一般的となっていますが,それが 遵法らしさの隠れ蓑になっている企業は残念ながら少なくありません。内部通報制度を導入したことの一事をもって,コンプライアンスが達成されているかに対 外発表を行う企業において,実は内部通報が過去に1件もなく,社員が通報の仕方を知らないケースも間々あります。これでは本末転倒であることは明白です。 「仏作って魂入れず」にならないよう,本気のコンプライアンス経営が求められるところです。
(続く)
監修:田島総合法律事務所
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