昨年、田辺三菱製薬が子会社における試験データ改ざん事件を受けて発表した業務改善計画について本ブログでも取り上げましたが、本年1月26日、またも田辺三菱製薬の子会社における試験データの改ざんにについての報道がなされています。
「田辺三菱、また不適切試験 子会社社員が一部の薬で怠る」(asahi.com)
報道によると、まず親会社に設置されたホットラインへ通報があり、親会社が調査したが、不正な調査があったとは認定されず、その後報道機関へ告発があり、再度の調査の結果不正が発覚した流れのようです。
前回と比較すると、グループ内に設置したホットラインへ通報が入ったということは、業務改善計画で謳っていた通報制度の充実策について一定の効果があったとみるべきかもしれませんが、その後の対応のまずさにより、結局自浄作用を発揮することができず、後手の対応となってしまっているようです。
内部通報制度の充実には、コンプライアンスに関する啓蒙、制度の周知、利便性の向上が入り口として重要ですが、いざ通報があった際に、報告を受けた会社側の調査対応スキルや、何よりも心構えが重要であることを思わずにはいられません。
監修:田島総合法律事務所
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